旅だったり、日々のつぶやきだったり。
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Posted by izu
 
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死んだ街と、憤り
この日記はリアルタイムで更新したいので
トルコから一気にすっ飛ばしてシリアの日記を書くことにします。

今日はシリアとイスラエルの国境近くにある街
クネイトラに行って来ました。

クネイトラはゴラン高原の東麗にある街。

ゴラン高原とは日リア、ヨルダン、レバノン、イスラエルに囲まれており
その肥沃な土壌と水の豊かさが理由で常にイスラエルと
アラブ諸国の戦争の舞台になってきた土地なのです。

1967年のイスラエルによる占領からヨム・キプール戦争を経て
1974年のイスラエル撤退の際に爆撃されたのがこのクネイトラ。

イスラエルの残虐行為の記録であるとして
シリアは爆撃跡を修復することなく公開しているのだそう。

以上が私がクネイトラへ行く前に手にしていた情報。
ガイドブックに載っていたものです。

基本情報だけで
細かい情報は何も無い。

どういった経緯で戦争が起きたのか。
街が破壊されたときに一般人はまだ街に住んでいたのか。
”イスラエルの残虐行為”とはシリア側のみの理解ではなく
国際的にもそう捉えられているのか。

ネット環境が無く調べることもできず
まだ何もわからない。

でもとりあえず現地をこの目で見てみたい。
それからいろいろ調べてみよう。


そう思ってクネイトラを訪ねて来ました。

ダマスカスからクネイトラまではバスを乗り継いで2時間ほど。

今回はホテルに居合わせた日本人の男の子二人と一緒に行くことに。
私がクネイトラの話をしたところ
興味を持ってくれたのです。

クネイトラに行くのであれば
できるだけ誰かと一緒がいいなぁと思っていたのでうれしい同行者でした。

戦争の痕跡をまざまざと目にするには
私の心はまだまだ弱いから。


パスポートと許可証のチェックを受け
内務省の係員のガイドでクネイトラの町を歩くことに。


激しい銃撃を受けたクネイトラの病院


IMG_8617.jpg



壁はすっかり蜂の巣状態


IMG_8615.jpg


アラビア語と英語併記の看板


IMG_8616.jpg


ベオグラードで銃弾により蜂の巣のようになった建物を見たことはあったけれど
その建物の中に入るのは初めて。




ぺしゃんこになった家屋。


IMG_8618.jpg


言葉が出ない。




目に映る情景はとても冷たいのに
体に感じる太陽光線やこの街の空気は
なんだか温かくてピースフル。


IMG_8622.jpg



建物の中に駐在してる兵隊さんも
大きな銃を持ってとても強面だけれど
私がアラビア語で挨拶をすると
いつものシリアの人たちと同じ、あたたかいホスピタリティで
にっこりとうれしそうに挨拶を返してくれる。


もしかしたらこの人たちの家族や友人が
この攻撃で亡くなったのかもしれない。
そうじゃないのかもしれない。


この場所を多くの人が訪れて
見学していく姿を彼らはどんな思いで見つめているのだろう。




破壊された教会。


IMG_8635.jpg


建物内部は無残な姿


IMG_8632.jpg


内部に十字架は残っておらず扉に一箇所残るのみ。


IMG_8634.jpg


爆弾により天井が全て破壊されたモスク

IMG_8644.jpg


モスクから見える町並み

IMG_8640.jpg



平和な頃には
同じ街の中に教会とモスク.が共存していたのだ。


住居はぺしゃんこ
病院は蜂の巣なのに
教会とモスクは比較的ダメージが少ない。

後で聞いたところによると
イスラエル軍は教会とモスクには
ひどい攻撃を加えなかったそうだ。



同行していた男の子が
もう一人の男の子にこう言った。


「ねえねえ、がれきに佇む僕のかっこいい写真撮ってよ」


相手の男の子がカメラを向けると
彼は得意げにポーズを取る。


その後も彼はクネイトラの街中で

「おー、これはいい写真が撮れるわ!」

と言いながら破壊された街の中で
何枚も自分の写真を撮らせていた。


いい写真?
あなたのポートレートが?

この無残に破壊された街で?




あたしに誰かをジャッジする権利はない。
それはわかっている。

でも、あたしはそれを受け入れられるほど大人ではなくて。



彼の浮かれたテンションに合わせる気も全くなく
私は無言で歩きながらガイドのおじさんと軽い会話を交わすのみ。



そんな中、もう一人の男の子がぼそりと言った。


「泣きそうになっちゃうよ。この街見てたら」


彼は私と同じくそう感じてくれるんだ、とうれしく思っていたら
写真好きの男の子が答える。


「ほんと優しいよね~○○君は。女の子みたい。さすが乙女座!」




・・信じられない発言。





その後乗用車でシリア人家族らしき人たちが通り過ぎ
ガイドのおじさんに明るく挨拶をしていた。

それを見た乙女座の男の子が言った


「あんな見学の仕方もあるんだねぇ。
こんなにひどい戦争があったのに、ああして明るく生きてるんだ・・えらいね。」




すると写真好きの彼が言った。



「いやいや、あいつらなーんも考えてないだけだよ」



・・・・



もしかしたら私が想像しているよりもシリアの人々はタフで強く
この光景を見ても私のようなショックを受けていないのかもしれない。


でもそれは、戦争を経験していない私達が
軽く言っていい言葉ではない。

戦争を経験した本人だけが言っていい言葉だと思うのだ。

戦争も兵役もなく安全で物質的に恵まれた私達が
勝手に判断できることではない。





写真好きの彼は自分自身のことを
「世界旅行家」と謡い
これまでにも半年近くアジアを回り
そしてエジプトからトルコに向けて北上している旅人。

これまでに何を見てきたのだろう。

彼は私より3歳若いしこれらの発言や行動も照れ隠しで
ネタとしてやっているだけなのかもしれない。


でも、今の私にとっては到底受け入れられるものではなかった。


昨日一日いくらか会話を交わして
それなりに話が通じる人たちだと思っていた。

だから余計にショックだった。


でも私の意見を彼らに真剣に伝えられるほど
まだ信頼関係も築けていなかった。


私にできた唯一の意思表示は
二人に向かって

「○○君が乙女座で、本当に良かったよ。救われた」

と言うことだけだった。


大人気ないとは思うけれど
帰りのバスでも写真好きの彼とは話す気にもなれず
顔を見ることもできなかった。



旅をしていると本当にいろんな人たちに出会う。
地元の人、各国の旅人、日本からの旅人。

みんないろいろな目的や事情がある。

だから自分の尺度で誰かを批評したりすべきではないと思っている。

今日の日記も、私の私情による勝手なジャッジと意見だ。
こういった内容をウェブ上に載せていいものか悩んだ。

でも、今私が今日目にしたこの景色と
今感じているこの感情を
できるだけ沢山の人たちをシェアしたいと思ったのだ。


クネイトラのこと
戦争のこと
そして私が感じた憤り


無関心と想像力の欠如
それが悲劇を生む

いつもいつも、そう思う











ある程度の時間が経てば、この日記は編集するかもしれません。
でも今は、こうやって正直な心の内を吐露させてください。

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Posted by izu
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[[デン到着前・中東旅]シリア
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